大橋運輸株式会社 鍋嶋洋行社長

2024.02.13 - 2024.03.11

「人財」が集まる環境整備を健康経営で。さらに地域の健康寿命も延ばす。

「Local Link」は、地方にある魅力的な企業や経営者の想いをストーリー形式で知ることのできる求人メディアです。求人募集中の企業については、インタビューの最後に求人情報と応募フォームが掲載されています。

今回は、大橋運輸株式会社 代表取締役社長 鍋嶋洋行 様です。

【Profile】
大橋運輸株式会社
代表取締役社長 鍋嶋洋行 

地元の信用金庫で営業を担当。結婚を機に、1998年義父が経営する大橋運輸株式会社に入社、同年より代表取締役社長。運輸業でいち早く「健康経営」「ダイバーシティ経営」を実践し、従業員満足度の向上、地域貢献活動につなげる。その柔軟かつ幅広い取り組みが評価され、数多くの賞を受賞。多くのメディアでも注目されている。

目次

キーワードは「健康経営」「ダイバーシティ」「地域貢献」

愛知県は自動車産業が盛んな土地ということもあり、事業は法人向けの自動車部品輸送が約7割です。運輸業で大切なのは「安全第一」ですが、安全は健康習慣があってこそ。「治療より予防」の考えで2007年頃から健康経営に力を入れています。

ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みも積極的に行っています。われわれ中小企業が、ランチェスター戦略(※1)で付加価値を提供できる「人財」を蓄えるには、必要不可欠だと考えています。
(※1 弱者が強者に挑むための戦略)

残りの約3割の事業は、個人向けの生前整理・遺品整理・引越しサービスなどです。瀬戸市は、愛知県のなかでも高齢化率が3割と高い地域なので、「地域の健康寿命」を延ばすことで地域に貢献したいと考えているんです。

お年寄りが寝たきりになる原因として転倒骨折があるのですが、外出先よりも自宅で起こることが多い。そこで、生前整理を通じて室内の動線を確保しています。また、震災をなくすことはできないけれど、大きな家具が倒れて下敷きになったり、出口をふさぐといったことがないように、けが予防・震災対策を行っています。

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挫折から、新たなビジネスモデルへの転換

大橋運輸への入社は結婚がきっかけでした。

当時、私は信用金庫に勤めていて、結婚後も働くつもりでしたが、義父が社長を務めていた大橋運輸の経営状況が良くないと知り、義父も闘病中だったことから入社しました。実際に入社してみると状況は思いのほか悪く、私が社長に就任することになりました。31歳のときでした。

会社を立て直すため、入社して5年は睡眠時間が3時間ほど。下請け業務をどんどん増やして、従業員数も一時は200人まで増やしました。その結果、売上のピークは23億円まで達しましたが、価格競争にもまれて忙しさは増すばかり。「社員にとって良い会社にしたい」という思いはあるのに、何も還元できませんでした。

私は寝不足と食生活の不規則がたたって体重が15キロ増え、血圧も200くらいまで上がってしまいました。朝5時に起きて朝食をとり、次の食事は深夜という生活をしていると、あまり食べていなくても太るんですね。経営状況が悪いことはわかったうえでの入社だったので、過酷なことは覚悟していましたが、体を壊してからでは遅いと感じるようになりました。

しかし、当時は、コスト重視で安い仕事をたくさん引き受けることが良しとされた時代。お給料を上げたいから1カゴ(※2)の単価を500円から3000円にしよう、挨拶や安全確認など当たり前のことを徹底して付加価値を高めよう、と声を上げただけでは社内の意識を変えられなくて。あの頃は悔しいというより情けなかったですね。帰宅すると無意識に涙が出てきて、こんなことあるんだなって思いました。挫折を味わいました。
(※2 複数の荷物をまとめて運ぶための柵状の台車)

これ以上、下請けと労働力だけを頼りにしてはだめだと、新たなビジネスモデルをつくり共感してくれる「人財」が集まるような環境整備に力を入れ始めました。

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大きい会社ではなく、いい会社を目指す

私が入社した当時、大橋運輸には企業理念がありませんでした。そこで、われわれの目指すべき姿が社員もわかりやすいように、『仕事を通じてお客様や地域に貢献する』という企業理念をつくりました。

また、『社員をはぐくみ付加価値を提供できる人財を蓄える』という人事理念と、『現役時代に良い健康習慣を身に付け定年後も健康に暮らす』という健康理念も定めました。定年後の健康まで配慮した企業理念というのは少ないんじゃないでしょうか。社員には、仕事も人生も楽しんでほしい、そう思います。

健康に関しては、体をつくる食材を定期的に配布しています。たとえばバナナはいつでも無料です。部署によってはトマトジュースも無料、週2回ヤクルトを配布、旬の野菜や果物、お肉や魚なども定期的に配布する。なぜかというと、社員の給料を増やすことも大切ですが、お金の使い方ってまちまちじゃないですか。食材を提供すれば、全員に栄養を提供できるというわけです。

こうした基礎的な取り組みを増やした結果、2017年から7年連続で健康経営優良法人認定制度の『ブライト500』を取得しています。年々増える求人応募数でも、健康経営の成果を感じています。「運輸業で働くなら大橋運輸がいいんじゃない?」と、配偶者やパートナーの勧めで入社した社員もいると聞きます。毎年新卒社員を採用できており、中途採用も増えているのはありがたいことですね。

ダイバーシティ&インクルージョンにも積極的に取り組んでいます。中小企業は大企業に比べて新卒応募が少ないわけですが、私たちは単なる労働力ではなく、「付加価値を提供できる人財」を集めたい。そのためには、仕事に人を合わせるのではなく、人に仕事を合わせることも必要だと思います。たとえば週3日勤務や1日4時間勤務などです。実際に募集したところ、語学が堪能な方や大手企業で勤めてきた育児中の女性たちが応募してくれるようになりました。

LGBTQの方のための社内制度も整備しました。当事者の採用がきっかけでしたが、事前の知識がなかったのでLGBTQのイベントや団体に行き、「どういう制度があったらいいですか、どういうことが不安ですか」など、多くの方に取材しました。そして、LGBTQ理解のための社内研修を実施したり、就業規則で同性パートナーも配偶者に認定したり、男女共用のトイレを設置するなどしました。

ほかにも女性管理職、外国籍社員、障がい者などの採用に、不安を感じる経営者もいるかもしれません。しかし、トラブルを恐れてやめるのは、いい人材を放棄するのと同じです。社内の意識を変えるには知識を深めることが大切。「今の知識は過去の知識」ととらえて情報発信していると、少しずつ変わっていく。とにかく続けることが大事だと思います。

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地域の課題に挑戦する

冒頭でもお話しましたが、地域の健康寿命を延ばすことにも力を入れていきたいですね。2025年問題といわれる超高齢化社会になると、行政はどこも財政が厳しくなります。人口あたりの職員数も減って、行政は病気の予防よりも治療に予算と人を使わざるを得なくなる。予防の部分をわれわれが担えればいいなと思っています。

生前整理などの片付けサービスがまさにそれですが、長年の健康経営で蓄積されたノウハウも生かそうと、無料で市民の方にバランスボールや太極拳の教室を開いたり、社員による健康セミナーも開催しています。

セミナーの開催は社員の成長にもつながっています。はじめは20分だけのセミナーだったのが少しずつ伸びてきて1時間できるようになったり、防災・健康・終活・収納セミナーなどバラエティにとんだセミナーを出来る社員が相当増えてきました。通常業務もしながらなので大変ですが、アウトプットすることで社員も成長する。社員が成長することで、お客様や地域に貢献するという理念も実現できます。

このほかにも地域での活動として、厚生労働省が提唱する11月30日『人生会議の日』の普及につながればと、オリジナルのエンディングノートも8000部制作し、地域包括センターなど行政窓口で無償配布しています。

特殊詐欺防止のチラシも、瀬戸市のお年寄りが臆単位の被害にあわれ、それでも被害が減らないのを目の当たりにして、『特殊詐欺なくし隊』を市内の企業と結成し、警察とも協力して配布しています。高齢者が読みやすいようにデザインしてあり、そのチラシを電話の前に貼っておくことで被害を防げたと、警察から報告をもらったときは嬉しかったですね。

小学1-2年生の交通安全教育でも、「大橋運輸を知ってる人は?」と会社のロゴを見せると、9割以上の子が手をあげてくれて、ほんとに嬉しかったです。

ほかにもオオサンショウウオが生息する川の清掃や、幼稚園・小学校での交通安全教育、中学生の職場体験、高校・大学・市民向けのダイバーシティの授業など、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層に向けて一年中何かしています。われわれがこうした地域活動をできるのも、地方だからこそのような気がします。

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笑顔はスキルの時代

これから大橋運輸では笑顔の人を集めていきたいです。笑顔って免疫力を高めるし、情動感染で気持ちも伝わります。人って1日に何回笑うか知ってますか?子どもは300-400回も笑うのに対して、大人は15回だそうです。もはや「笑顔はスキル」の時代です。

あと、周りの優秀な人と比べるのではなく、自己ベストを意識できる人。なにか人に負けないものがあればいいですね。そして、まじめであること。

2025年からは運輸業で初めて禁煙採用も宣言しています。喫煙による年間死亡者数の1割以上が受動喫煙の影響によるものだそうです。特に、個人向けサービスでご自宅に入る業務は非喫煙者対応でいくことを目指しています。入社後に禁煙に向かう人が多く、現在も10年以上喫煙してきた子がようやく自分から挑戦すると言っています。社員の成長を感じられるのは本当に嬉しいですね。

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大橋運輸株式会社の求人情報

当社は、オープンポジションとしての採用に注力をしております。

運輸業なので、ドライバーばかりの会社と思われがちなのですが、重ねてお伝えしておりますように、我々は「地域の健康寿命に貢献する」ことを目指して事業展開を行っておりますので、2025年問題や今後の地域課題、社会課題に挑戦するための人材を積極的に採用したいと考えております。
長年にわたり、市役所や福祉協議会など地域の機関と連携し、地域の方々の健康寿命に貢献する活動も行っていますが、単なる地域貢献活動だけではありません。

例えば、後発である「生前整理」の事業は、整理作業によって怪我予防や震災対策など、福祉の視点から見ると重要な側面があると考えています。
高齢者が在宅で寝たきりになる原因として、転倒骨折といった家庭内での事故が主となっています。そのため、廊下や階段などの整備や物を片付けて導線を確保することは、怪我予防のためにとても重要です。また、単身高齢者にとっては、家具や粗大ごみを処分すること自体が困難です。震災時に箪笥の下敷きや出口を塞ぐことがない様に、整理作業を通じて住民の方達に寄り添っています。

オープンポジションとしての採用に注力している理由としては、会社視点ではなく、従業員それぞれの視点や特徴からどのようなことが地域や市民の方に貢献できるかを大切にしているからです。最近では、こういったメッセージが徐々に伝わり、「地域貢献」という理念に共感をしてくれて、異業種から入社してくれている方も増えています。直近では、地域の方の健康寿命に貢献する為に、管理栄養士や精神保健福祉士にご入社頂きました。

理念に共感頂いた従業員の方達に、出来る限り挑戦の機会を提供することが、当社として受け入れた責務だと思っております。その為、我々は地域活動に本気で取り組む為に全国で初めて市や福祉協議会と民間での協定を結びました。また、様々な市民の方への貢献を行うには、当然様々な視点から貢献できることを考える必要があります。その為、性別や年齢、国籍などに関わらない職場づくりを心がけています。そのことを評価頂き、中小企業で唯一の「100選プライム」に選定を頂きました。こういった点から、当社だからこそ出来る地域貢献があると思っています。

入社時に具体的にこういったことをやりたいと明確に語れる方は殆どいないと思います。
面接のときは、どんなことが得意なのか、好きなのか、どんなことがやりたいか、など対話をする時間を大切にしています。応募頂いた方の本音を聞かせて頂き、それであれば「こういった部署はどう?」など一緒に考える時間にしていきたいと考えています。地域課題といっても色々な切り口がありますし、地域や市民を支えるお仕事といっても色々ありますので(笑)

ただ、この地域に対する思いという点では、今いる従業員のなかでも共通して意識が高いです。毎年、ES(従業員の満足度を測るアンケート)を実施しているのですが、この項目は他の企業の平均値と比較して倍くらいのデータが出ておりまして、この思いを元に自発的に活動をしている従業員が多いと思っています。
例えば、当社に社内の管理栄養士で入社した従業員がいるのですが、病気でお母様を亡くされ、お医者様を志していた方がいます。ただ研修医の時に、治せない病気もあることを悟り、治療ではなく予防の大切さを肌で感じて管理栄養士になったそうです。
その従業員は、健康経営に取り組んでいた当社の求人に興味を持ち入社を決めてくれたのですが、社内で健康ノウハウを蓄積した後に、それを自主的に市民の方に向けて様々に発信することを行いました。その取り組みがとても好評で、現在は、中部運輸局が主催する600名規模の健康セミナーや尼崎市でのセミナーにも参加することになっています。
学校の勉強においては優越感を感じることもあるかもしれませんが、今後は社会課題に対しての答えがない中で、自ら考え、チームとして課題に取り組む姿勢が大切だと考えております。なので、従業員には、問題に対して柔軟で創造的に動いて貰える様に意識しています。

昨年入社した、療育手帳を持つ従業員がいるのですが、部署内での表彰制度で、スマイル賞という、最もポジティブに仕事に取り組んだ従業員を表彰する項目で2ヶ月連続1位を獲得しました。自ら出来ることを考えて、チームのためにどういった形で取り組むことが自分自身の強みかを考えたうえでの成果だと思っています。

中学生や高校生の頃から自分が何をしたいかわからずに、とりあえず就職してみた結果、仕事に楽しさを感じないという経験をしている社会人の方が多いと聞きます。ただ、私はそういう方たちに「答えは自分だけで探すものではなく、仲間や環境から生まれるものでもある」と伝えたいです。何かに取り組んでいる仲間を見て、自分だったらこういうことができるかもと想像したり、思いついたことを仲間に相談してみるところから自分の発展の一歩が生まれると思います。

その為、漠然とでも、誰かの役に立ちたいと思っていたり、自分の経験を誰かに活かしたいと考えている人がいたら、明確な答えはなくてもいいので、まずお話しましょう!

大橋運輸株式会社の募集要項

職種名
オープンポジション

雇用形態
正社員

試用期間
2か月(2か月の間に各部署業務を経験して頂き、配属や業務を相談の上、決めていきます。)

勤務先住所
愛知県瀬戸市にある本社の他、豊田市篠原営業所など。

 

勤務時間
応相談(あなたのワークライフバランスを応援!お気軽にご相談ください。)

給与
資格、経験、能力により厚遇。

手当/待遇
資格、経験、能力により厚遇。趣味応援企画などユニークな福利厚生が充実しています。

応募資格
・業務を通じて地域課題に貢献したい思いが強い人
・目的をもって仕事を取り組める人

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