2024.03.01 - 2024.03.31

農家にやりがいを。次世代にも続く産業となるよう高い視座で課題を解決する。

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今回は、株式会社うめひかり 代表 山本将志郎 様です。

【Profile】
株式会社うめひかり
代表 山本将志郎 

1993年、和歌山県みなべ町生まれ。高校卒業後は北海道大学薬学部に進学したが、実家の梅農家を継いだ兄の言葉をきっかけに梅干し作りに乗り出す。2019年に株式会社うめひかりを設立。また、梅文化や梅の魅力を発信するために仲間たちと結成した「梅ボーイズ」のリーダーとして、SNSを通じた情報発信など精力的に活動している。

目次

日本一の梅産地から梅文化を発信

弊社がある和歌山県みなべ町は日本一の梅産地です。梅干しができるまでの工程は、梅の栽培は梅農家、梅を漬けて加工するのは梅干し屋というように分業化が進んでいます。弊社はこの中でも梅干しの加工をしている会社ですね。

従業員数は2023年現在、20人まで増えました。梅干しの製造メンバーは地元出身者がほとんどです。ただ、最近は他地域から移住してきた従業員も増えてきました。梅干しの販売や、昨年から始めた梅の栽培の担当は移住者が多いです。 大手企業の元エンジニアや元公務員など、さまざまな人材が集まっていますよ。

きっかけは兄の一言

起業したのは25歳の時です。それまでは北海道大学の薬学部でガンの新薬の研究に打ち込んでいました。学生時代は実家を継いだり梅に関する仕事に就いたりすることは全く考えず、普通に就職するつもりでした。

きっかけは、実家に帰省した時に梅農家を継いだ兄から聞いた一言でした。梅栽培はどんな調子か聞いてみたら、「栽培しても自分の梅が何の商品になっているか分からず、やりがいを感じにくい」と返ってきたんです。

一般的に売られている梅干しの場合、梅農家が担うのは梅を栽培して塩漬けするところまでで、自ら製品にして販売するわけではありません。数十軒の農家が出荷した梅が問屋や商社を経由して加工会社に至るため、自分の梅がどこの商品になっているかは分からないんです。だから、どういうお客さんが自分の梅のファンになってくれているかも全く分からない。

農業にやりがいが持てないと語る兄の言葉を聞き、本当にもったいないと感じました。そこで、兄が育てた梅を自分が梅干しにして商品化し、販売しようと思いついたんです。

商品化に向けてどんな梅干しがいいか兄に尋ねたところ、子どもの頃から実家で食べていたような塩だけで漬けたものが一番好きだと言われました。塩だけで漬けた梅干しは梅本来の味が感じられるんです。

しかし、スーパーなどで売られている梅干しは甘い調味液で味付けされたものが主流で、そのような梅干しは今はほとんど作られていないとのことでした。そこで、塩だけで漬けたすっぱい梅干し専門の梅干し屋を立ち上げようと決めました。

地道な営業活動で販路を開拓

初めは大学の研究室に通いつつ、土日に営業活動をしていました。手ごたえは全くありませんでしたね(笑)。売上高も1年で10万円ほどでした。一方で、やり続けたらいずれは成功するという自信はありました。

研究でも失敗はつきものなので、「最初は売れなくて当然」くらいに思っていました。そういう意味でも、大学で研究していたのはいい経験だったと思いますね。

そして梅干しを売り始めてからおよそ1年後、就職先も決まって卒業が近付いてきた頃に、「このままだと梅業界は変わらない。やっぱり自分がやるしかない」と決意。内定を辞退し、起業することにしました。

起業してからまず取り組んだのが販路の確保です。軽トラで日本一周し、スーパーの軒先などのスペースを借りてお客さんに梅干しを手売りしていましたが、経営はずっと赤字でした。

それが終わってからは小売店様への営業にシフトしました。全国を巡る中でうちの梅干しを気に入ってくれるお客さんもいましたが、日によって拠点が変わるとリピートにつながりません。ここに行けば買えるという状態を作ることが重要と考え、八百屋様や酒屋様、米屋様などに営業して少しずつ販路を開拓していきました。

農家がやりがいを持てる産業に

梅農家がいてやっと梅干しが出来上がるのに、その農家自身が梅の栽培にやりがいを感じられないことはとても大きな課題です。農家がやりがいを持って取り組めるような産業にしていくことが、自分のやるべきことだと考えています。これは梅に限らず日本の一次産業全体の課題だと思うので、まずは梅業界から変えていきたいですね。

以前、みなべ町で実施された調査では、77%の梅農家に後継者がいないという結果が出ました。梅農家がやりがいを持てない結果、農業が魅力的な仕事として映らず、後継者不足という形で数字に表れてしまっています。だから、やりがいを創出しないことには担い手が増えないし、次世代にも続いていかないと思います。

繰り返しになりますが、マストとなる視点は農家がやりがいを持てるかどうかです。弊社ではウォッカベースの梅酒も売り出していますが、一般的な梅酒に比べて砂糖の量を減らしているので梅本来の自然な甘さを味わえます。こだわって育てた梅の味を生かすことが、一番のやりがいにつながりますよね。

今のままだと梅業界はじわじわと衰退していくと思います。人口も需要も減っている中、自分の世代だけなら生きていけるからまあいいかという空気のままだと、数十年後には今とはかけ離れているほどに衰退してしまうと思います。だから早い段階から舵を切って、方向性をガラッと変えていかなければなりません。

自分でいうのもなんですが視座は高い方だと思っていて、生来の性格として「課題は解決してなんぼ」という感覚があります。例えば、家族が困っていたら助けますよね? それと同じく、自分が住む地域に、ひいては日本全体に課題があるなら、「解決してもっと良くしていった方がいいじゃん」というくらいの気持ちです。

新規就農者の独立サポートも

梅農家を志す新規就農希望者から連絡が来ることも多いですよ。当初は人手不足や後継者不在の梅農家を紹介していましたが、1年ほど続けたところで双方のニーズがうまくかみ合っていないと感じるようになりました。

農家側は、あくまで作業員としての人手が欲しいだけの場合が多いんですよね。また、自分の息子が実家に戻ってきたから、できれば息子に優先して継がせたいと言われたこともあります。

一方、新規就農者はいずれ農園長として独立したい人が多いです。梅農家のもとで研修しても、新しくよそから来た人には農地を買うのも難しいためその先が続かない。だからといって、作業員として雇用されるのは求めていた形と違う。

このミスマッチを解消するために、会社として畑を持ち、うちで新規就農者を採用して農園長をどんどん生み出していくのがいいのではないかと考えました。これなら新規就農者はリスクを負わずに独立できるし、利益が出た時は出来高制でしっかりと還元できる仕組みが作れますからね。2022年から本格的に取り組み始めたところです。

農地は耕作放棄地を借り受けて確保しています。地域に根差した人がいないと土地を借りるのは難しいので、自分の出身地から取り組みを始めたのは正解でした。ここで実績ができたおかげで、他の地域でも信用が生まれますから。

和歌山でうまく仕組みができてきたので、今後は北海道でも事業を展開する予定です。

一次産業の魅力を作り直す

先ほども述べましたが、後継者が離れて従事する人が減ってしまっている時点で、一次産業は魅力的な仕事として捉えられていないのが現状です。

だから、まずは梅業界でやりがい創出と安定収入の確保を実現し、農家という仕事の魅力を高めていきたいです。それはあと3年くらいで形にしたいですね。そして他の地域や他の作物にも展開していき、最終的には一次産業全体を変えていけたらと思っています。そのために、同じ志を持つ人たちとの連携も積極的に進めていますよ。

一次産業の魅力を発信するのとは少し違いますね。そういう発信をしている会社は多いですが、実際にそれで根付いているかというと、残念ながらそうではありません。むしろ、魅力を作り直さないといけないと思っています。

農業には「自然の中で食べ物を作るのは気持ちがいい」などのメリットがイメージとしてありますが、実際は災害があればその年の収入がゼロになるし、命の危険だってあります。いいことだけでなく、危ないことも大変なこともたくさんあるのが農業です。

しかし、そのようなリスクはあっても、しっかりと高い収入が得られるならやってみたいと希望する人は出てくるはずです。一農家だけが儲かるのではなく、産業全体で収入が上がるような仕組みに作り変えていければ理想的ですね。

農業現場にも人事評価制度を

一次産業を魅力ある仕事にするためには、人事制度を取り入れることが必要だと考えています。

従来の農業法人だと、従業員数は多くてもあくまで作業要員であり、賃金も低いという場合が少なくありませんでした。そこを改善し、個々の仕事の成果を評価した上できちんと給料が上がっていく仕組みを作っていきたいと考えています。

栽培現場での作業スピードは、農家によって1.5倍から2倍ほどの差が出ることもあるんです。そこにちゃんとした人事評価制度を導入できれば、努力や工夫次第で給料を大幅に上げることも可能になります。単純作業だからこそ、年収を2倍にすることも夢ではありません。

まずは自分たちが会社として、現場段階からしっかりとした人事制度を取り入れようとしているところです。だから、人事制度に長けている人材にぜひ来てほしいですね。そして、こうした取り組みが今後自分たちの強みになっていくと確信しています。

株式会社うめひかりの求人情報

株式会社うめひかりでは、「梅酒事業責任者」の募集をしております。

梅酒事業責任者

私はもともと国家公務員で、特に仕事に対して不満という不満はありませんでした。しかしながら、年齢的にもこのまま国家公務員としてキャリアを歩んでいくか漠然と悩んでいた時に、知り合いだった代表の山本に声を掛けられて転職を決めました。うめひかりへの転職は、環境など含め真逆の選択で自分にとっても大きなチャレンジでしたが、やらない理由を探して年を取っていくより、やってみてそれを成功させるために努力し続ける日々の方がこれからの人生が充実すると考え決断をしました。

今は、商品の企画開発からECなどを通じた販売促進、広報/PRまでを広く担当しています。各業務をひとつとっても、色々な手段があり、常に最適な方法を自分で考え実行していくので、前職のように自分の決められた職務を愚直に進めるのと違い、常に壁にぶつかっています。

ただ、小さい組織だからこそ仕事が細分化されておらず、川上から川下まで全行程を見通せて、自分次第でなんでもできる点はとても充実しています。弊社の製品は、自分たち次第でこれからどんどん大きなブランドになっていくと思います。その過程を自分の手で広めていける手応えは今だからこそできる経験かなと思っています。

 

従業員は、もともと梅が好きで、会社の理念や方針に共感をしている方が多いと日々感じます。みんなが同じ方向を向いているので、「こんなことをやりたい」とか「こんなことをやってみたらどうか」みたいな意見は基本的に前向きに応援されるんですよね(笑)

 

全工程に携われるからこそ、自然と足りない部分とか改善しなきゃいけない部分が見えてくると思いますし、そこに対して挑戦できる機会があるのは、他の会社ではなかなか無いと思うので、改めて仕事は何をやるかよりも誰とどんな環境でやるかが大事だと感じますね。

 

まだ人数はそこまで多くないので、部署に限らずメンバー間の距離は近い方だと思います。収穫の時期なんかは、部署関係なしに収穫をみんなで行うのですが、その後に地域の海鮮が美味しい居酒屋さんに行ってみんなでお疲れ様会をします。みんな20~30代で移住者が多いので、会社の同僚が友達みたいな感覚があるかもしれないです(笑)

 

農業界は狭い業界だからこそ、自分たちのやることが本当に業界にインパクトを起こせることもあると思いますし、いまは仕事をしながらそれを実感できるフェーズです。そういった社会への使命感をもっているメンバーも多いのが特徴だと思います。

株式会社うめひかりの求人要項

職種名
梅酒事業責任者
雇用形態
正社員
試用期間
3か月
勤務先住所
和歌山県田辺市

勤務時間
9:00~17:00

給与
月給:¥250,000~

手当/待遇
社会保険完備
賞与あり
昇給あり

 

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