静岡市を中心に、幅広く住民の生活を支える事業を行っている、約100年の歴史を持つ静岡鉄道株式会社。鉄道・バスなどの交通事業を基盤としつつ、不動産・流通・自動車販売・レジャー・建設など多角経営を行なっており、静岡では圧倒的な知名度を誇っている。
これまでは知名度の高さから採用に困っていなかったが、近年、採用の難易度の高まりを感じ、Professional Studioの地方特化型 採用/人事伴走サービスに相談いただいた。
感じていた課題、ProfessionalStudioの地方特化型 採用/人事伴走サービスを導入した理由、導入によって感じた成果について、静岡鉄道株式会社の清水さん、住吉さん、伴走サービスを担当したプロ人事の秋元、伊藤さんに話を聞いた。
【Profile】
▼導入企業
・静岡鉄道株式会社 人事部長 清水 寛人 様 (写真右から2番目)
※3/22インタビュー時点 人事部副部長 兼 人財開発課 課長
・静岡鉄道株式会社 人事部 人財採用課 課長 住吉 昂太 様 (写真右から1番目)
※3/22インタビュー時点 人事部 人財開発課 兼 未来事業創造部 未来事業創造課 係長
▼伴走プロ人事
・Professional Studio株式会社 執行役員 秋元優喜 (写真左から1番目)
・株式会社うるる 採用・組織開発課 スペシャリスト 伊藤 妙子 様 (写真左から2番目)
属人化していた採用活動を型化することで、質・量両面が向上
秋元:まず地方特化型 採用/人事伴走サービス導入前に、御社が抱えていた課題についてお聞かせいただきたいです。
住吉係長:大きく2つあります。1つは主に労働人口の減少や競争の激化といった外部要因によって採用難易度が高まりつつあること、もう1つは採用活動の属人化です。
採用の体系化やデータの活用などができていなかったので、今は知名度のおかげで採用できていても、いずれ苦しくなってくるのではないかと考えていました。
そこで採用の体系化を行おうと、個人的に採用担当者向けの講座に参加してみました。もちろんそこでの学びはあったものの、日々の業務に追われており、学びと実務を接続させたブラッシュアップに割く時間がとれないという課題を抱えていました。
秋元:私も何社か地方の会社さんの採用/人事に入らせていただいているのですが、そもそも人事部がなく、人事を兼務でやられているところも多く、リソースがないという共通の課題はあるように思います。
住吉さんがおっしゃるように、外部要因によって採用の難易度は高くなっていて、特に地方では影響が顕著に出ています。
清水さんはどういった課題感をお持ちでしたか?
清水課長:私も正直な話をすると、課題感は持っていたものの、日々の業務に追われていました。
住吉の言うように、特に採用業務が属人化しており、担当者任せという状況で、組織としては決して良い状況ではないと感じていました。
また、直近まで採用担当だった社員が4月から別部署に異動することが決まり、間違いなく今後もこういった場面はあるだろうと考えた時に、採用業務を「型化」しなければならないと強く感じました。
秋元:おっしゃる通りで、とくに少人数で結構な量をこなさなくてはいけない組織では、型化をして、効率性を上げて、それによって空いた時間で質に転換していくという正のループを回していくことが重要です。
清水課長:伴走していただくようになって、最近まさに感じていますが、面接の構造化をレクチャーしていただき、少しずつですが「量」をこなすうちに、コツを掴んできて最近は「質」を意識するようになりました。お二人との面接官トレーニングの成果がでているなと実感しています。
ProfessionalStudioの地方特化型 採用/人事伴走サービスを導入した理由
秋元:ありがとうございます。そういった課題感があるなかで、ProfessionalStudioの地方特化型 採用/人事伴走サービスをお選びいただいたのはどういった理由からなのでしょうか。
住吉係長:こちらも大きく2つありまして、1つは今回ご担当いただいている秋元さんと伊藤さんのご経歴を拝見して、こういった方の力を借りることができたら、採用をアップデートできると思ったというところ。もう1つは提案してくださった秋元さんの熱意とビジョンに共感したからです。
秋元さんは静岡にご縁があって、地方ならではの空気感・現場感を理解してくださると感じたこと、またうるる社で10人から400人までの組織拡大を牽引されてきたご経験から、地方のこともわかっている人事のプロフェッショナルという印象を持ちました。採用は経営とどう紐づけていくかという点も重要ですので、経営観点も含めて深い知見をお持ちというところに惹かれました。
伊藤さんはエンジニア等の採用難易度の高い領域で新卒・キャリア採用共にご担当されているというご経歴を拝見して、実務面でもハイレベルな採用ナレッジをお持ちなのではという期待を持ちました。またプロフィールに記載されていた『「採⽤して終わり」ではなく従業員体験と連動させた好サイクルを⽣み出すべく、全社のエンゲージメント向上に向けたプロジェクト推進も採⽤と並⾏して担当している。』に共感し、この知見もお借りしたいと思いました。
もう1つの理由である秋元さんの熱意とビジョンについては、まずWantedlyの記事を拝見して大変熱い人だなという印象を受けました。そのうえで実際にお話をする中で、アドバイスをいただくだけではなく、熱量と当事者意識を持って「会社の中の人」として一緒に伴走してくださると感じました。加えて、ProfessionalStudioさんが目指しているビジョンにも共感したので、今回依頼させていただくことを決めました。
秋元:ありがとうございます。私たちとしても、手法やノウハウをただ教えるということではなく、フラットな立ち位置で、一員としてやっていきたいと考えています。
清水課長:それはお話しして強く感じました。目線を合わせて、お話をしていても否定せずにいったん受け止めていただける懐の深さと言いますか。
9連続内定承諾。採用成功率が大幅に向上
秋元:実際に私と伊藤さんで入らせていただいて、御社で感じられている良かった点や成果があれば教えていただきたいです。
住吉係長:良かった点は思いつくだけで10個以上あるのですが、代表的なところをあげさせていただきますと
・採用チームメンバーの成長や視座の高まり
・ナレッジのインストール、業務の体系化・型化
・日々の細かな施策検討のスピードと質の向上
・自社の魅力の発掘と言語化
・採用以外の人事領域も相談にのっていただけること
・採用成功率が大幅に向上
といった点が大きかったです。
採用チームメンバーの成長や視座の高まりについては、特に毎週のミーティングの中で実感しています。学びが多くて毎週非常に楽しいです。例えが適切かわからないですが、採用チームにとってドラゴンボールの「精神と時の部屋」のような、密度濃い成長の時間です。我々のポテンシャルを引き出して成長させてくださるという意味では、プロ人事のお二人は孫悟飯にとってのピッコロさんです(笑)
秋元:めちゃくちゃわかりやすい例えをありがとうございます(笑)
住吉係長:ナレッジのインストール、業務の体系化・型化については、ナレッジをインストールするための資料作成も手を動かしてくださることで、忙しい中でも型化しやすくなっています。資料の質も高いのでどこをどう改善していけばよいかわかりやすいです。
日常レベルでは、細かな施策検討のスピードと質も高まっていることを感じています。若手メンバーの相談にも気軽に乗ってもらえることが大きいです。実務を担当している弊社の若手メンバーにとって、伊藤さんがロールモデルのような存在になってくれているのではないかと思います。
秋元:すごく動きが早くなってますよね。東京のベンチャーのスピード感が早いみたいな話がありますが、御社の方が全然早いです。
住吉係長:自社の魅力の発掘と言語化について、秋元さんと伊藤さんは、プロ人事の目線で、自分たちだけでは気付きにくい弊社の魅力を発掘・言語化してくださいました。それが採用成果にもつながってきますし、採用チームメンバーにとっても自社の魅力を再認識する機会となり、エンゲージメント向上にも繋がっています。
さらに、採用以外の人事領域、例えばエンゲージメントや人事制度、研修などにも幅広く知見があるため、必要に応じて人事領域全般・トータルで相談にのっていただけていることもありがたいです。
定量的な成果も、明確に出ていて、今までではおそらく採用が難しかったであろう優秀な人財の採用成功率が大幅に向上しています。内定承諾も9連続でいただき、こんなに目に見える成果が出ることに驚きました。
清水課長:私の目から見ても、面接の質が変わってきているように思います。同席する事業部の責任者にも「一方的に選ぶのではなく、候補者にとって大事なポイントは何かというのを感じましょう」ということをしっかりと伝えるようにしたら、面接のやり方や雰囲気が変わってきたということを感じていますね。
静岡で一番採用に強い会社を目指して
秋元:目に見える成果が出てきて良かったです。最後に今後の期待についてお聞かせいただきたいです。
住吉係長:採用の文脈でいきますと、静岡で一番採用に強い会社を目指していきたいので、引き続きナレッジのインストール・伴走をお願いしたいと思っています。ひとまずのゴールとしては、独り立ち採用。お二人がいずれいなくなっても、採用活動がうまく行き続けている&ブラッシュアップし続けられる状態にもっていきたいです。
あとはムーンショット的な展望になりますが、「静岡が誇る日本一高いものは?」と聞かれた時に「富士山と人事・採用活動のレベルです」と言えるようになりたいです。
静岡は移住希望地ランキング1位ですが、求職者の方々に魅力的な企業、仕事がないと思われている部分があるため転入が少なく、転出過多になっている現状があると思います。ゆくゆくは他の静岡の企業にも採用ナレッジをお二人と一緒に広めていきながら、「静岡って人事・採用先進県だし、魅力的な企業が多いよね!」となったら素敵だなと。
秋元:素晴らしい!やっぱり住吉さんの内に秘めている熱さが私と同じなので共鳴するものがあるんですね。清水さんはいかがでしょうか。
清水課長:住吉さんいいこと言いますね。思いは私も一緒で、前にいた不動産の部署で静岡市とともに移住支援のプロジェクトを行っていましたが、働く場所はあっても、あまり魅力的な企業が多いとは思われていなかったように感じました。住吉さんが言うように、静岡にも魅力的で自分らしく働ける企業が多いことが、移住を検討する方やこれまでに静岡にゆかりがある人に伝わっていくと、実際に移住する人が増えるのではないかと感じています。そのためにも我々がそういった企業を目指していきたいですね。
私個人としてはもう1つ、静鉄グループ全体の人事担当者に採用のナレッジを広め、みなさんの生活を支える事業の継続や、より豊かな生活が送れるようなグループ企業を目指していきたいと思います。
伴走したプロ人事のコメント
伊藤さんのコメント
私は父が静岡出身なこともあり、静岡のまちをインフラ面から支えながら、生活を豊かにするという志を持ち、鉄道や不動産の盤石な基盤を活かした多角的な事業展開を通じて静岡を盛り上げていらっしゃることに強く共感したことがご支援のきっかけでした。
実際に静岡鉄道さんに伴走させていただくことになり、組織の強さに驚きました。
何より素敵に思ったのが、みなさんの人柄と社風。100年の歴史がある企業さんでありながら、変化への対応力の高さを日々感じています。人事のみなさん、志が高く、静岡へのアツい思いとともに、会社や仕事に誇りを持って取り組んでいる様子が伺えました。
人事の仕事はすぐに制度や仕組みを変えるのが難しいことも多々ありますが、その中でも自分たちにできることに最大限トライする姿勢も素敵で、私たちは少し背中を押しただけで、みなさんが主体性と行動力をもって積極的に挑戦したことが成果に繋がったと思っています。
静岡鉄道の人事部のみなさんは、それぞれが静岡鉄道というフィールドを通じて実現したい、未来に対する思いを持たれています。人事業務支援は、単に「採用が上手くいくようになる」ではなく、みなさんの思いを実現するためのサポートと捉えています。
今後は具体的には採用や組織開発における仕組みをより整えていきたいですね。秋元さんが人事戦略に寄り添う中、自分がバリューを出せるのは「それを実務に組み込む」という部分だと思っています。人事部のみなさんは頭の回転も速く、粘り強く行動し変革していく力がある。あとはみなさんが走りやすくなる整備さえできれば、普通列車が新幹線になるくらいのスピードで進んでいくと思います。
秋元のコメント
静岡鉄道さんへの伴走を通じて学ばせていただいていることも多く、伴走させていただいて本当によかったと思っています。
私はスピード感のあるITベンチャーの環境で育ってきましたが、そういった企業と変わらない変化への対応力をお持ちなので、伴走させていただいてすごく楽しいです。
皆さん、積極的に新しいことにチャレンジされ、優しい方々ばかりと、社風も素敵な静岡鉄道さんの魅力を求職者や求職潜在層の方々にぜひ知っていただきたいです。東京の会社にも全然負けていない素晴らしさをたくさんお持ちだと思います。
これからの1年は、グループ採用、グローバル採用、人事制度改定、エンゲージメント向上と、人事として取り組む内容を考えると、すごく大切な1年になると思いますので、真の採用力強化だけでなく、人事全体をパワーアップできるよう、人財の採用から定着、そして活躍というところまでしっかり伴走させていただきたいと考えています。
引き続き、経営目線を持ちながら、静岡鉄道さんの人事戦略を形にしていくお手伝いをさせていただきたいなと思っている次第です。