“個人商店”から“イノベーションが生まれる組織”へ。部門間連携に人事伴走サービスが果たした役割とは

本社のある宮城県はもとより東北地方全域に絶大な知名度を誇る日刊新聞「河北新報」を発行する河北新報社。そのグループ会社として各種広告やセールスプロモーション、パンフレット・チラシ・ポスターなどのクリエイティブを手掛けているのが河北アド・センターである。

同社では社員個々人の能力が優れている一方で、部門間連携が取れていないという課題を抱えていた。激変する広告市場において、顧客に対しより高い価値提供を行うことは同社にとって至上命題。それにはイノベーションを生み出す組織の力の強化は避けて通れない。

そこでProfessional Studioの地方特化型 人事伴走サービスを導入。約1年にわたる取り組みを経て一定の成果をあげるに至った。今回は河北アド・センターの武井社長、菊地専務、連携プロジェクト主要メンバーの伊藤さん、高木さん、安達さん、木村さん、伴走サービスを担当した神吉さんにお話をうかがった。

【Profile】

▼導入企業
株式会社河北アド・センター
代表取締役 武井 甲一 様 (写真左から4番目)
専務取締役 菊地 学 様 (写真左から5番目)
《連携プロジェクトメンバー》
営業部 部長 伊藤 伸亮 様 (写真左から7番目)
営業部 部長 高木 俊輔 様 (写真左から2番目)
新事業開発部 部長 安達 学 様 (写真左から6番目)
新事業開発部 専任部長 木村 恵美 様 (写真左から3番目)
※組織名や役職等は取材日 2025年2月27日 時点のものです。

▼伴走プロ人事
株式会社HR and 代表 神吉 徹二 様 (写真左から1番目)

▼人事伴走サービス運営責任者
Professional Studio株式会社 執行役員 秋元 優喜 (写真左から8番目)

目次

コミュニケーションはトレーニングで変わることを実感

秋元:まずは今回の人事伴走サービスを導入するにあたって、御社が抱えていた課題をお聞かせ願えますか?

武井社長:広告の営業会社であれば他の会社でも同じだと思うのですが、これまで一人ひとりが個人の裁量で動いていたんですね。チームワークとはおよそほど遠い世界だったし、またそのほうが成果も出しやすい業界でした。ただ昔と違って紙面制作だけやっていればいい時代ではなくなりました。世の中の変化に伴い提案内容もやり方も変えていく必要があります。より高い価値提供をしなければならないのに、部門間連携ができていないとイノベーションは生まれません。そこに大きな課題を感じていたんですね。

菊地専務:個々の力を大事にする組織でしたよね。ゆえに部門間の壁が生まれ、組織体として融合するといったことがなかなかできませんでした。そうした状況を見て、職種を問わずお互い腹を割って力をあわせて仕事に取り組める環境が必要だと感じました。ただ、それは経営層が組織をいじったぐらいでは解決しません。仲良くなれば事が上手く進むかというとそんな簡単な話ではないんです。

武井社長:この手の課題はたとえば研修に時間とお金をかけたりしても、なかなか成果につながりにくい。人そのものが変わってコミュニケーションが活発になり、新しいものを生み出そうという取り組みなんですが、どうやればいいのか全く回答がない状態でした。長年組織をいじったり声がけしたりしてきたものの、素人だけに伝わりにくいところがあって理解されなかったんですね。

菊地専務:さらに遠慮というか、本音でしゃべる機会が昔と比べてずいぶん減ってしまいました。お互い気をつかっていたんですよね。いけないことを指摘をしても個人名を伏せていてはわからないし改善できません。このあたりもっとフランクに話せるようになると、もっと情報共有も進むだろうと思っていました。だからこそ今回は社外の方に寄り添って実践していただけたことで、ずいぶん変わることができたと感じています。

秋元:いま寄り添うという言葉をいただきました。伴走というのが私たちのサービスの特徴でもあるのですが、そのあたりはいかがでしたか?

武井社長:伴走という言葉は面白いというよりも必要だと思っていました。さっきも言った通り、いろんな研修を受けてみてもその場限りで本当に効いているのかチェックもできません。しかし今回の取り組みを見ていて感じたのは、マンツーマンでトレーニングしてくれているなということ。なんだかスポーツのようですが、コミュニケーションもトレーニングで変わるんですね。

菊地専務:そうですね、普段ドライに運営していた会議のやり方も人の意見を引き出すようなスタイルに変わって来ましたしね。トレーニングを受けた人がそれぞれどうすればこの場や会社が良くなるかをちゃんと考えて運営してくれているなと実感しています。

武井社長:時代とともにトレーニングの場が少なくなってきているんでしょうね。昔は広告業界なんて過剰なぐらいそういう機会がありましたよね(笑)。それがいまはできなくなってきた。だからこそ伴走といった時代にあったトレーニングは価値があるなと。

神吉さん:主要メンバー4名に何か変化はありましたか?

武井社長:変わってきていますよ。会議でいえば私は昔から発言しようよ、って言っても報告会で終始していたんですよね。資料なんかいらないと言ってもみんな資料を熟読して出席する。こういうことを10年以上言い続けてきても何も変わらなかったのですが、神吉さんにトレーニングに入ってもらってからは相当早いタイミングで発言に積極性が出てきました。これが決定的な違いですね。

菊地専務:神吉さんからは成果はそんなに早くでませんよ、と言われていたんですよね。ですからほんの少しでも変化の兆しが、ぐらいに思っていたら劇的に変わった。それまでいろいろやってもなかなか変わらなかった分、本当にインパクトが大きかったです。問題はこれが続いていくかどうかなんですが、とりあえず1年やってもらって好成績が出ているので、やはりトレーニング効果は絶大なんだなと確信しています。

神吉さん:今、お二方のご発言は、「組織として、風土として変わりつつある」というお話にも聞こえました。今回は、プロジェクトとして意図的に「組織開発」のアプローチをとりましたよね。「チームに働きかける」「結果として組織が進化する」という組織開発のパワーが感じ取れるお話ですね。

伴走のおかげで“染み込む”研修を体験できた

秋元:神吉さんには通常の伴走だけでなく、途中で組織開発で最も重要なファシリテーションの研修も実施していただいたうえで、学んだことの実践・フィードバックというかたちでの伴走もしていただきました。

武井社長:終わってからどう?と聞くと、みんな本当に勉強になったと言ってくれます。研修を受けてもらって感謝されたのははじめてじゃないかな(笑)。一度契約期間が終了となって継続するかどうか議論になったんですが、良かったという声が多かったのと、せっかくここまできたんだからもう少しやりたいという意見がありました。当然ながら全員が賛成ではなかった。しかし、生み出された良い変化の兆候を無駄にせず伸ばしていける絶好の機会だと感じたため、契約を更新することに決めました。その結果から生まれた感謝ですから、やってよかったと思いますね。

菊地専務:多くの研修は詰め込み型じゃないですか。今回のように伴走してもらうことで内容が染み込んでくる研修はみんなはじめてだったと思います。時間をかけていただいた分、しっかりと染み込み具合も進んでいった感じですね。みんなの心の中に神吉さんの言葉が入っているんですよ。

武井社長:あと第三者にやってもらったのも良かった。我々がやると命令になってしまうからダメなんです。

秋元:連携プロジェクト主要メンバーの4人に対する今後の期待や課題についてお聞かせください。

武井社長:彼らが神吉さんと同じとはいわないまでも近い水準で下のメンバーをリードできるといいなと思っています。全社員がそういう意識で動けることが理想ですから。そのためにはもう少し神吉さんのお力をお借りしたいですね。つまり秋元さん頼みです(笑)。

秋元:承知しました(笑)。神吉さんは受講者の大きな変化を感じていましたか?

神吉さん:私は正直、おふたりほど大きな変化は感じていませんでした。というのも私と関わっている間はみなさん積極的に振る舞われていたので。ファシリテーションも順調に上手く進めていらっしゃいましたし、伴走支援させて頂いた実際の場はいい雰囲気でしたね。

菊地専務:受講者はみんな会社という枠を取り外して自己を開放したのかもしれないですね。最初から普段の会社モードではない状態で受講した。それで積極的になれて、加えて神吉さんのトレーニングがいい感じで染み込んでいったのかもしれません。

秋元:だからこそおふたりにしかわからない変化なんですね。しかも神吉さんの前だけでなく、会議や実務でも発揮できるようになってきていたんですね。

武井社長:おそらく神吉さんとのやりとりを経て、こういうコミュニケーションでいいんだと体感を得たんでしょう。それまではヒエラルキーとか発言順位などに縛られていたんですね。

菊地専務:見えないルールに縛られていたのか…おっかなびっくりやっていいものかどうか、と探っていたところがきれいに整理されて、自信を持って発言できるようになったんでしょうね。自分で言いたいこと、やりたいことができるようになったのが彼らにとってのいちばんの収穫といえるでしょう。

秋元:菊地専務が今後期待することはなんですか?

菊地専務:やはり次の世代にどう繋いでいくか。醸成されたマインドをどこまで継続できるかですね。せっかくいい雰囲気になってきているので、これはなくしたくありません。今回の4名だけでなく、4名から10名、20名と派生することに期待します。

いろんな部署が共鳴して、会社として前に進むことが大事。ざっくばらんなコミュニケーションを通していい情報を集めれば、もっといいものができると思います。そういう意味で今回は大きな一歩を踏み出せたと感じています。

ファシリテーションは技術以上に教養や見識が大事

秋元:ここからは連携プロジェクトの主要メンバーのみなさんからお話をいただきます。まずは高木さん、今回の人事伴走サービスを受けてみての総括をお願いします。

高木さん:まず部門間連携についてですが、いままでも決して連携してこなかったわけではありません。ただ結びつきが弱かった。深度が浅かったと気づけました。

いままでは営業、企画、出版、総務と部門が全て縦割りでした。例えば何かプロジェクトがはじまるというとき、営業が入口であったとすると、そこにいろんな人がくっついてきて、当初の予定と、実際では全然違うチームができあがります。そうすると認識のズレはあるわ、なんだかギクシャクして途中分解するわ、うまく合意形成にもっていくことが難しくなります。

それが今回は最初から部門間連携しましょうと、縦割りの部門に横串を通した感じです。これによっていろんな部署の人間が足並みを揃えて一つの事業に携わることになりました。認識も揃っているので合意形成にもっていきやすく、つまらないことでストップしません。それがこれから本格化していくと思うととても楽しみです。

秋元:ファシリテーションのトレーニングとトレーニング後の伴走サービスも利用されていましたね。

高木さん:スピード感が求められる中で、自分の考えや経験則を基に即決して物事を推し進めることが多いです。また私は営業ですから、自分の答えや落としどころを持って打ち合わせに臨むことが多い。しかし、ファシリテーターの立場においては、自分の考えなど不要。むしろそれがうまく議論が回らない、まとまらない原因だったんだと腑に落ちたのが収穫です。議論が行き詰った時こそ、丁寧にニュートラルにフラットに相手と対峙することで、思わぬ答えが導き出される。急がば回れですね。

秋元:高木さん以外に、みなさんの感想や今後やっていきたいことを、それぞれ聞かせていただけますか?

伊藤さん:自分の中にある課題意識をみんなにも共有できたことがまず良かった点ですね。みなさんの課題意識も聞けますし、会社としてどういう課題があるかという合意形成も取れました。逆に課題意識がないと何を話しあうべきかも定まらないんですよね。さらに話し合うテーマをみんなで出し合って、これとこれをいつまでに話しましょうと決められたことも良かったと思います。

ファシリテーションって技術的な面にスポットが当たりがちだと思うのですが、個人的には情報や知識の裏打ちだけでなく、教養や見識といった人間の内側にあるものが大事なんだと思いました。

他者理解が深まると信頼性や相互共感にもつながる

秋元:人間の内側…なかなか深いですね。では、今後やっていきたいことは?

伊藤さん:プロジェクトマネジメントの進め方ですね。毎週の部門間連携プロジェクト(以下、連プロ)を通じて必ず前進させるためにどんな管理推進がベストなのかを考え続けています。ただ、少しずつですが上手くいっている実感は得られていて。おそらく合意形成や目的設定を最初にやっているからではないかと思います。加えてファシリテーション技術も磨かれていますしね。

秋元:次に木村さん、お願いします。

木村さん:部門間の連携というと、要はコミュニケーションじゃないかと最初思っていました。ところが取り組みはじめてみると、実は連携ってそんなにシンプルではありませんでした。営業でも企画でも1対1でのコミュニケーションならそんなにハードル高くないと思ったんですが、課題を解決するために異なる部署で一緒になって同じスタンスで話すのは意外と難しかったです。それを神吉さんが上手く誘導してくれて、自分が思っていることを相手に伝える手助けをしてもらえました。

高木さんや伊藤さんは営業ということもあって話す機会が多く、上手だし説得力もあります。私にはそういう場がなかったし、スキルもありません。そのぶん苦労しましたが、非常に勉強になりました。あと印象に残っているのは心理的安全性ですね。テーマが会社の課題ということで固くなりがち。なかなかアイデアも出にくかったんです。でも神吉さんが場作りをしてくれたので、回を重ねるうちに安心して話せるようになりました。これもいい意味でトレーニングになったと思います。

これからは周りの方々をどう乗せていくかが肝心だと思っています。こちらからみんなに振らなくてもどんどん手が上がり、意見が飛び交うような組織にしたい。心理的安全性が担保された、発言が楽しめるような会社を目指していきます。

秋元:ありがとうございます。最後に安達さんお願いします。

安達さん:ファシリテーションとはなんぞや、ということで最初皆目検討がつかなかったのがわかるようになったことですね。話の展開の技術論も教えてもらった一方で、その背景にある神吉さんの思想もしっかりと受け止めました。つまり他者に対する思いやりと共感の気持ちがベースにあって、これを元に議論を進めていくべきだな、と理解しました。

ファシリテーションを学ぶ場は世の中にどれぐらいあるのかわかりませんが、人の温かみを前提とするファシリテーターの指導を受けることができて本当に良かったと私は思います。他者理解にもつながりやすく、信頼性と相互共感も生みやすくなるんじゃないでしょうか。これらの根幹にある他者理解と思いやりを大切にしながら、これからも場作りを考えていけたらと思います。

あと、課題というか楽しみにしていることがあります。伊藤くんと一緒にある仕事に取り組んでいるのですが、プランニングしていると夜中にアイデアを思いつくことが多いんです。そのとき、これを伊藤くんに話したらどういう反応するかな、なんて思ってワクワクするんですね。相手に話すのが楽しい、みたいな環境が神吉さんを通して連プロで生まれてきました。今後はこういう場作りを会社全体に広げていけたら最高だなと思います。

伴走したプロ人事のコメント

神吉さんのコメント

ファシリテーションの技術論に親しんでいただくトレーニングだったのにもかかわらず、トレーニング後に3ヶ月継続的に伴走していくことで、参加する場で相手に向き合うことや思いやりの心が大事だと受け取ってくれたようでうれしいです。

10人、20人にどうやって広げていくか、というところが肝です。4人から10人、20人に広げていく中でくじけそうになることもあるかもしれませんが、4人なら辛さや痛みもわけあえるはず。話しあうこともできます。

4人のチーム力を上手く活かして、安達さんが言っていたようなワクワク感を味わいながらより価値のある提案やサービスを顧客に提供できる組織を作っていってもらえるとうれしいです。

 

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