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今回は、株式会社アワーズ 代表取締役社長 山本雅史 様です。
【Profile】
株式会社アワーズ
代表取締役社長 山本雅史
1977年大阪府出身。大学卒業後祖父が創業し、父が社長を務めるグループの中核建設会社に入社。2004年にアドベンチャーワールドの運営会社である株式会社アワーズへ入社、2015年に三代目の代表取締役社長就任。社長就任後、「こころでときを創るSmileカンパニー」という企業理念を軸に、ミッション経営を推進。2021年には第11回日本で一番大切にしたい会社審査委員会特別賞を受賞。
動物園、水族館、遊園地を併せ持つ日本唯一のテーマパーク「アドベンチャーワールド」を運営
弊社は「こころにスマイル 未来創造パーク」をテーマにした、和歌山県にあるテーマパーク「アドベンチャーワールド」を運営している会社です。
アドベンチャーワールドは動物園、水族館、博物館、遊園地を併せ持つ日本唯一のテーマパークで、ジャイアントパンダやライオンといった陸の動物、イルカやペンギン等の海の動物をご覧いただけるほか、遊園地エリアでは観覧車やジェットコースターと幅広く楽しむことができます。
私と私に関わる全ての人をSmile(=幸せ)にする
私は35歳くらいまでは何も考えずに、人に勝ったらうれしい、人に褒められたらうれしいという、人に承認されるために生きてきたような人生でした。自信もなく、人と比較して、コンプレックスの塊のような状態で。結果的に人間関係もうまくいかなくて、まわりの人たちも離れていって、という経験を何度もしていました。
そんな時にスターバックスコーヒージャパン株式会社の元CEOの岩田松雄さんの講演を聞きました。スターバックスの経営において一番大事なのはミッションで、全スタッフがミッションを大事にしているから、主体性を持ってスタッフたちが働いてくれていると話されていて、私もそういう経営をしてみたいなと思ったんです。
その後、ミッション経営を学ぶ研修に参加した際に「あなたにミッションはあるんですか?」と問いかけられました。それまで考えたことがなかったのですが、要は「生きる目的は何か?」という問いではないかと思い、3日間考え抜いて「私と私に関わる全ての人をSmlile(=幸せ)にする」ということをもし目的に生きることができたら、死ぬ瞬間に幸せだったなと思えるのではないかという答えが出てきました。
岩田さんの講演を聞いた際には、会社のミッションを1から創ろうと思っていたのですが、「本当にそれが正しいやり方か?」「過去から大事にしてきたことを今後も大事にしていくべきなんじゃないか?」と考えて、父から預かったノートや創業者の祖父が残したメモを読み漁って、アワーズが大事にしてきたことを明文化する形で作りました。
3つのSmileを大事に
グループコンセプトとして「こころでときを創るSmileカンパニー」という言葉があったのですが、これを再定義し企業理念と定めました。Smileに関しては「社員のSmile」「ゲストのSmile」「社会のSmile」と3つに分類し、創り出していく順番(社員→ゲスト→社会)も定義しました。
私自身、商人の息子として生まれて、お客様が一番だとなんとなく思って仕事をしてきたのですが、社員を大事にしないとお客様を本当の意味で幸せにはできないなと。私たちが本当に楽しく働けて、幸せで、成長していくことで、本当の意味でのお客様の笑顔を作り出せるのではないか、というイメージを持っています。
2018年に新オフィスを立てたのですが、その際には「企業理念を具現化するオフィス」にしてほしいとプロジェクトチームにお願いしました。全社員に「企業理念を具現化するオフィスってどんなオフィスですか?」とヒアリングして進めてもらったところ、ワンフロアで全社員が働けるオフィスが完成しました。
1階には社員の健康とシナジーを生むことをテーマにした社員食堂ができました。それまでも社員食堂はあったのですが、高いからカップラーメンを食べているという若い社員もいて、それならメニューを絞って1人300円で食べられるようにしようと。「社員のSmile」で一番大事なのは健康だよねということで、健康的な料理しか出てこない食堂で、無理やり健康になっていただくことをテーマにしました。
私の考える理想のオフィスを作っていたら、もっと効率的で費用は安くなったかもしれませんが、社員たちが考えたものを具現化できて本当によかったなと。
他にも理念を浸透させるために、企画稟議書を書く際には企業理念を書かないといけないフォーマットに変えています。「どんなSmileを創りますか?」という目的が最初にあって、次に「そのためにどんな目標を立てますか?」、最後に「そのために何をしますか?」という手法が来るというフォーマットです。理念を考える機会をたくさんつくることが理念を浸透させるために重要かなと。
理念は人を縛るものではないので、社員が自分の言葉で理念を表現できるようになったら一番良いと考えています。
アドベンチャーワールドを楽しみながら学べるテーマパークにしていきたい
アドベンチャーワールドを今後は、楽しみながら学べるテーマパークにしていきたいと考えています。瞬間的な楽しさ、感動だけではなく、お客様の未来に影響を与えられるようなパークになりたいなと。
アドベンチャーワールドに行ったら成長できたというような、未来にプラスの影響を与えられるパークになりたいというのが私たちの大きなビジョンです。
今の時代って、犬も猫も飼いづらい時代で、人間にとって、人間以外の動物がまわりにいなくなってしまっているんですね。そうなった時に、その環境の中で育ってきてしまうと、やっぱり人間中心に考えてしまうと思うんです。
人間以外にも動物がいるということを知るために大自然に行く、というのも大変なので、その手前に、ちょっと身近な場所で、動物園、水族館が、そういう存在にちゃんとなりえたら、今後も必要だと思っていただけるんじゃないかなと。
今後も必要だと思っていただくには今のままではダメだという危機感から、エンターテインメントとエデュケーションを掛け合わせたエデュテイメントパークになっていきたいなというチャレンジしているところです。
ですので、思いやり、素直、前向きな心を持っているということは前提として、これから未来を変えていくために、チャレンジできる人に入社していただきたいと考えています。
株式会社アワーズの求人情報
株式会社アワーズ(アドベンチャーワールド)では、「獣医師」の募集をしております。
獣医師
株式会社アワーズにて、獣医師として活躍されている尾崎さんにお話を伺いました。
私は新卒でアワーズに入社し、約20年ほど獣医師としてアドベンチャーワールドにいる動物たちの健康管理に携わっています。
獣医師になろうと思ったきっかけは、小学生くらいの頃、テレビでアフリカの野生動物を保護する番組をみたときに、漠然と動物に関わる仕事に興味を持ちました。動物のお世話をしたいという気持ちが強かったのですが、それと同時に動物の怪我を治せる役割を担えたらいいなという気持ちもあって、最終的には獣医師になる道を選びました。進路を決めるタイミングでは、食品/薬品メーカーや動物病院など色々と選択肢がありました。動物のお世話をしたいという気持ちがあったので、最終的には動物病院か動物園・水族館業界で悩んだのですが、動物病院だと飼い主さんが連れて来られた一瞬しかその動物を見ることができないので、それぞれの動物の成長を共に見ることができる動物園・水族館業界を選択し、株式会社アワーズ(アドベンチャーワールド)への入社を決めました。
入社当初は、小さい頃から憧れていた職業に就けたという喜びを味わう余裕がないくらい大変でした。学校では、犬とか猫、牛や馬ぐらいの動物しか学ぶ機会がないのですが、アドベンチャーワールドには色々な種類の動物がいるので、これまで習った知識とか経験が全然役に立たず、最初は本当に落ち込みました。ただ、心から動物が好きだったので、治療したことのない動物や症例に日々触れることは苦になることはなく、寧ろ自分の知らない知識や経験を習得できるのはとても充実しています。20年勤めた今でも、まだまだ知らないことばかりです(笑)
いまアドベンチャーワールドには、計6名の獣医師がいます。基本的な業務は、高齢の動物たちを中心に行っている定期健診になるのですが、突発的に各動物の治療依頼があれば適宜対応していきます。アドベンチャーワールドの動物病院は、特に動物種や治療内容で担当は分けず、全ての動物のケアを全員で行う体制を取っています。他の動物園・水族館業界では珍しい体制のようですが、動物種や治療方法は広く経験できるので魅力的な環境だと思います。
実際に獣医師として動物園で勤務をしてみて、出産に立ち会い、生まれた赤ちゃんが元気に育って走り回る姿を見ると、なんだか母親のような気持ちで自然と笑みが溢れるんですよ。そんな時、これは動物園で働く獣医師にしか味わえない気持ちなんだろうなと、この仕事をしてて良かったなと思います。ただ、逆に辛い出来事もあります。園内にいる動物は、全てが治療できるサイズの種類ではありません。なので、全ての動物を治療出来る保証はないんです。私が入社して3年目くらいの頃、飼育しているオルカが体調を崩してしまいました。体が大きく動きを止めることができないことと、当時の私にはまだ出来ることが限られていたので、力になれなかったことがとても辛かったです。
動物園・水族館業界で獣医師として働くうえで大切なことは、コミュニケーション能力だと思っています。各動物に担当スタッフがいて、性格や体の変化などを誰よりも詳しく敏感に把握してくれています。ただ、怪我や病気の専門家は私たちです。その為、私たち獣医師から積極的にコミュニケーションを取りにいき、日々の変化などの情報を取りに行くのは、予防をするうえでも大切だと思っています。また、話しかけやすい人って印象を持ってもらうことも大事だと思っています。プライベートのことなど積極的に話しかけると、距離感が近くなって向こうからも気になったことを話してくれるので、こちらから話しかけることを大切にしています。
獣医師は専門職になりますが、アワーズでは広い視野で仕事をできることが魅力だと感じています。入社する際に配属される部署以外の仕事を経験する期間があって、同じ会社で他の人がどんなことをしているかを経験することができます。実際に私も獣医師として入社したのですが、半年くらいはレストランで接客の仕事を経験しました。実際に他の仕事を経験してみると、会社全体としてどういう人たちがどういう業務をしているかイメージすることができます。また、部署横断型の委員会やプロジェクトも積極的に行われていまして、だいたい50のコミュニティがあると思うんですけど、そこで他部署の人や年代の違う人と触れ合う機会があります。普段から仕事以外でも部署の垣根を超えた交流があると、例えば園内でイベントを開催するときとか「ちょっと手伝ってよ!」とかすごい声がかけやすいんです(笑)
獣医師として色々な経験をさせて頂いている部分もありますが…20年も続けてこれたのは、獣医師という仕事と同じくらいアワーズのスタッフが好きだからかもしれません。もともと、動物とか人とか子供が好きで当社に入社してくる人が多いので、誰かの為に頑張ることがモチベーションになる人が多いんですよね。誰かの為に頑張ることが、今度は恩返ししようと自分が頑張って…それが社内でも良い循環となっている感じがしますね。あとは会社の制度にもとても助けられています。育休もいまはお母さん・お父さんも取れることが多くて、直近だと男性の育休取得者は75%(2023年5月期)となっています。復職した後も、個人のライフスタイルや、やりたいことに柔軟に対応してくれます。直近だと、社内に保育園もありますので、より一層ライフスタイルに合わせた働き方ができるようになると思います。
株式会社アワーズの募集要項
職種名
獣医師
雇用形態
正社員
試用期間
なし
勤務先住所
和歌山県西牟婁郡白浜町堅田 2399番地(アドベンチャーワールド)
勤務時間
9:15~18:00<実働7時間45分>
*季節や時期により変動します。
給与
応相談
* 年齢や経験により、決定いたします。
*前職の給与を考慮いたします。
手当/待遇
・職位手当
・技術技能手当
・時間外手当
・扶養手当
・住宅手当
・通勤手当 他
応募資格
・獣医師免許をお持ちの方(必須)
・獣医としてのスキルアップに意欲的な方
・色々な動物に興味を持っている方
・新たな価値観、スピード感、レジリエンス(しなやかな強さ・軸)を持ち、現在のテーマパーク事業にとらわれない新しいアプローチで社会課題を解決する「ソーシャルビジネス」への積極的なアクションを続けていただける方