株式会社健康の森(健康の森グループ本部) 清水浩一郎 専務取締役

人間の基本である「健康」をテーマパークから、阿蘇ファームランドが地域のにぎわいを創出する。

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今回は、株式会社健康の森(健康の森グループ本部) 専務取締役 清水浩一郎 様です。

【Profile】
株式会社健康の森(健康の森グループ本部)
専務取締役 清水浩一郎 様

1993年にグループ企業に入社。広報や企画開発部門などを経て、2013年に専務取締役に就任。

目次

世界でここだけの健康テーマパーク

阿蘇ファームランドは、大自然の中で体を動かしたり栄養豊富なおいしい食事を楽しんだりしながら、心身ともに健康づくりができる滞在型のテーマパークです。宿泊ができる「大自然阿蘇 健康の森」と日帰り向けの「阿蘇元気の森」という2つのエリアがあり、それぞれでお客様の滞在スタイルに合わせた健康増進プログラムを提供しています。

やはり宿泊か日帰りかでは時間の使い方が変わってきます。例えばうちは温浴施設が数種類ありますが、それを日帰りのお客様に全て楽しんでもらうのはなかなか難しい。だから、宿泊エリアでは静かな環境でゆったり過ごすことに重きを置き、一方の日帰りエリアでは元気にめいっぱい遊んで帰っていけるような差別化をしています。

施設づくりに関してはできる限り自社グループで進めるのが基本で、どこか他の企画会社が入っているわけではないです。お客様が泊まるドームハウスも、グループ会社のジャパンドームハウス㈱(石川県加賀市)が製造しています。

アイデアを形にする過程では、さまざまな専門家に助言を仰ぎました。それをきっかけに集まった専門家たちによって(一社)日本健康増進学術機構が発足し、総合監修という形で関わっていただいています。

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時代に先駆け「健康」にクローズアップ

当施設は阿蘇ファームランドとして1995年にオープンしましたが、当初は「健康」という硬いワードはあまり使わずにPRしていました。当時は今ほど健康を重視する考え方が認知されていませんでしたからね。ただ、目指すものもやっていることもずっと変わっていません。そういう意味では、時代が健康志向になってきたおかげでアプローチしやすくなっているとは思います。

実は、オープン当初の規模は今の3分の1ほどだったんです。お客様の反応や利用状況を見ながらリニューアルと新設を繰り返し、健康増進に特化させていきました。

なぜここまで健康づくりを強く打ち出しているのかというと、健康が大切だという価値観は普遍のものだからです。今でこそ健康が注目されていますが、それでもやはりその重要さは今までもこれからも変わらない。人間が健康でいることがどうでもいいという時代は、決して来ないでしょうから。

過去には24時間働きづめでそんなことは考えなかったという時代があったかもしれません。でも、もうそんな時代に逆戻りしてはいけない。逆に、それだけたくさん仕事がある中でも健康の大事さは人間の基本だし、全世界共通でしょう。変わらないということは、とても重要だと思います。

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阿蘇という地域とともに

代表である北川勝幸社長はもともと、地元の石川県加賀市で製菓業を営んでいました。阿蘇ファームランドは熊本県の誘致を受けて開業した形ですね。熊本県内にも製菓工場を設立していた縁があったというのもありますが、社長自身も阿蘇という土地の環境の良さに惚れ込んだようです。阿蘇ファームランドは国立公園の中にあるんですが、空気も水も本当にきれいなんです。

阿蘇ファームランドがある場所は、もともと廃業した国立の牧場だったんです。かつて地域で盛んだった肉牛の放牧が減ってきているなかで、土地の有効活用につなげることができました。また、施設では地元住民の方もたくさん働いているので、雇用の面でもお役に立っているのではないでしょうか。

阿蘇という地域は、観光地というより山にドライブに行くような感覚で来るところでした。偉そうに言ってはいけないのですが、観光やレジャー目的で阿蘇に来るお客様は、我々が施設を作ることで増やせたと自負しています。

宿泊できるドームハウスは現在450棟ほどあり、キャパシティは十分にあります。それでも繁忙期は埋まってしまう。しかしここが溢れても、阿蘇には他にもさまざまな宿泊施設があるので、そういうところにも泊まっていただければいい。うちが満タンになった時には、周辺の施設のご紹介もしています。だから近隣の脅威になるというよりは、にぎわいを創出する一端になれていたらいいなと思っています。

県の観光連盟などと協力し合い、熊本や阿蘇の魅力をもっともっと伝えていければ、さらに地域に貢献できるのかなと思います。熊本は観光においては通過されることが多いんですよね。九州で泊まりがけの旅行をするならそのうちの1カ所は熊本、できれば阿蘇という流れができてほしいし、その一角を担っていきたい。阿蘇の知名度を上げていくために、地域の力が一つになればいいなと思っています。

植林を通し、自然環境の保全にも力を入れています。もともと牧草地なので木はほとんど生えていなかったんですが、現在は駐車場の周りなどは緑で覆われるほど。植えた木の本数はおそらく1万本を超えていると思います。もっと増やしたいんですが、あまり増やすと駐車場のスペースが減ってしまうので、そこは考えどころですね(笑)。

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現場の声を生かす経営で当事者意識を醸成

経営における一番の基本は、お客様第一主義です。自分たちだけが良かれと思ってやるのではなく、それがお客様にしっかり伝わらなければいけません。

そして、お客様第一主義を前提とした現場第一主義があります。ただ経営上の数字を追うのではなく、きちんと現場を見て判断し、必要に応じて変えていくのが大切。何が原因でこの施設の利用が伸びないのか、逆に利用は多いけど混み合ってしまうようなところをどう改善すればいいかなどは、じかに現場を見ないと分かりません。

わが社には、学生時代に運動や栄養の勉強をしてきたとか、所属する運動クラブで体験したことを生かしたいといった思いを持って入社した人も多いです。そういったスタッフたちの意見やアイデアが、施設の改善に生かされています。幼児向けの体験施設などは8割方そうですね。レストランなどで提供する料理も、専門家にレシピ開発を丸投げするのではなく、ある程度自分たちで考えた上で協力してもらっています。

運動施設でも、お客様が転んでけがをしてしまった場合に、どうしてここで事故が起きたのか、事故を減らすにはどうしていけばいいか。そういったことは、やはり現場のスタッフたちが一番よく分かっています。

現場第一主義という言葉の「現場」の中には、そこで働く人という意味合いも含まれているんです。トップである社長から指示が下りてくることはもちろんありますが、現場から上がってくる声も合わせて形にする。その両方で構築されています。だからこそ、社員みんなが「自分たちの施設なんだ」という思いで、当事者意識を持って働けているのかなと思います。

わが社の経営理念にはチャレンジ精神という言葉も入っています。少し背伸びをしても届かないものをジャンプして取りに行くような、そういうことをみんなでやってきたわけです。その結果、ここは他にない強みのある施設になりました。もちろん参考にした施設などはありますが、例えば東京や北海道に同じものがあるかというと無いと思います。

スペシャリストが輝く会社へ

だから弊社では社員に対して結構いろいろ要求します。「何かいいアイデアはないか」とか。施設を改修したりサービスを改善したりするにしても、どこかの業者さんに任せっぱなしではなく、自分たちみんなでやっていきたいんです。「こういうことがやりたい」とか「このスキルを生かしたい」という志を強く持った人なら、ここで働くのは面白いと思います。

阿蘇ファームランドでは、今後もさらに健康づくりに特化していきたいという思いがあります。だから現場スタッフも管理職も問わず、スペシャリストが増えてほしい。ただ理論だけを掲げてこうしたいと描くだけでは不十分で、そういう人材がいることで形になっていくんだと思っています。

安全な体の動かし方や栄養豊富な料理の知識を学んだけど、どこで生かせばいいんだろうという人材は案外いるんじゃないでしょうか。また、熊本は人材が流出しがちな地域でもあります。高校卒業後は福岡などに出てしまう学生も多い。せっかくこういう施設があるんだから、ぜひ阿蘇で働いてよ!と伝えたいですね。

それと、わが社は年功序列もなく出世し放題です(笑)。ただ、来た日から部長でいきなり激務が舞い降りるということも割とあります。そういうことを厭わない人の方が、うちには向いているのではないでしょうか。

今後のビジョン

実は、当社のような健康増進施設が形を変えて他の地域にもあってもいいのかなと思っています。自分たちが儲かればいいのではなく、健康の大切さを分かってほしい。阿蘇まで来るのはなかなか大変ですからね。

最近はようやくコロナ禍が収束に近づいてきましたが、海外からの集客が現時点では今一つ。まだ広げようがあるなと考えています。もちろん、そうなると幅広い客層への対応が求められてくるので、地元の皆さんも含めいろいろな方々と協議していく必要はありますね。

健康づくりに興味がない人は来なくていいよということではなくて、阿蘇の自然を楽しみに行きたいだけだという人も気楽に楽しめるような部分も強くしていきたい。今後も時代や需要に合わせて、施設を拡充していければと考えています。

【URL】
阿蘇ファームランドの公式サイトです。

https://asofarmland.co.jp/

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社名:株式会社阿蘇ファームランド
本社所在地:熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陽5579‐3
設立:1995年
事業内容:健康施設事業(宿泊施設・物販・飲食施設・運動施設 など)
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